南部鉄器をはじめて買う方へ vol.1 ~鉄分補給が出来る鉄瓶、出来ない鉄瓶の違い~

こんにちは、南部鉄器工房 及富の菊地です。
南部鉄器をはじめて買う方へ知っておいていただきたい情報をお話しします。
まず、南部鉄器の鉄瓶には大きく分けて2種類あります。
2種類の鉄瓶
・鉄瓶
・急須
の二つです。
鉄瓶とは

湯沸かしを目的としたやかんです。鉄瓶は茶釜を源流としており、取っ手と注ぎ口がつけられて日常の湯沸かしとして親しまれてきました。
急須とは

こちらは比較的近代に登場した小振りの鉄瓶です。昭和中期に一般的になったと言われています。
特徴は茶こしが付属していること、内部に琺瑯(ホーロー)という釉薬が塗られていることです。
お湯を沸かす用途としては製造されていないため、急須専用としてお使いいただけます。
鉄瓶のメリット
現在、鉄瓶をお求めになる方にとって一番ともいえる注目のポイントは鉄分補給です。
時代が移り変わり、平成に入ってから鉄瓶の出番がすくなくなる中で、南部鉄器の製造元は鉄瓶を用いて湯沸かしをすることで鉄分補給が期待できるメリットをPRしてまいりました。
急須のメリット
南部鉄器の急須の一番のメリットは保温性です。フランスを主に、広く輸出された時代が1980年代からありますが、ご存じの通り紅茶を愛する国の人々にとって、デザイン性の高さだけではなく淹れた紅茶が冷めにくいことが大変評価されてきました。
鉄瓶兼用急須の登場

2000年代に入り、及富は鉄瓶兼用急須の製造を開始しました。
「従来の鉄瓶は大きすぎるので小さいものが欲しい」
「鉄分が補給できると思ってかったけれど、急須だった」
というお声をお客様から多数寄せられたことが開発のきっかけです。
写真をみるとわかるとおり、鉄瓶の内側が灰色になっています。
釜焼きと呼んでいる加工方法により、鉄瓶の内側表面に微細な酸化被膜が形成されています。
これは従来の鉄瓶と同じ製法です。(釜焼きは素焼きと紹介されることもあります。)
これにより茶こしがついた、小振りな鉄瓶の登場しました。
琺瑯(ホーロー)を内部に塗らずに湯沸かし可能な仕様として製造しております。
オンラインショップにてご紹介しておりますので是非ごらんください。