鉄瓶に錆(さび)が出たときのお手入れ方法!
<及富のyoutubeチャンネルで紹介している動画をテキストでご紹介します。動画と併せてご参照ください。>2021/04/04 動画公開
みなさん、おばんです!南部鉄器工房 及富 専務の菊地章です。
及富チャンネルをいつもご覧いただきまして、ありがとうございます。たくさんの方々に見てもらってます。本当に嬉しいです。
私事ですけど、最近、TikTokってのはじめましてね。こちらでも、色々、皆さんに鉄器に関して知ってほしいなと思って、動画を配信してますけども。なんせやり方がよく分からずにやってますけど、まぁでもそちらも皆さんに見ていただいてるようで。
YouTubeとリンクしているので、TikTokを見ていただいた方は、YouTubeに登録してくださっている方も何人かいるんだと思いますけど、ありがとうございます。
鉄瓶が錆びた場合どうするか
今日はですね、こういう鉄瓶を用意しました。
これちょっと古いんですけど、中をちょっと今見ていただくと、錆びてるのがお分かりだと思うんですけど、しばらく使わない鉄瓶って、こういう風に錆びてくるんですね。まぁ毎日使っていても、やっぱり鉄瓶って錆びてきます。
錆びた場合どうするか、これ当然大事なことなんで、私なりのやり方で、皆さんにちょっとご案内したいと思いますので、ぜひご覧になってみてください。
まずは鉄瓶でお湯を沸かしましょう
まずこの鉄瓶に水を入れて、お湯を沸かすところから始めたいと思います。
ちょっと場面切り替わりますね。
今ですね、先ほどを見ていただいた鉄瓶に水を入れて、IHヒーターで、ちっちゃいコンロ型のIHヒーターなんだけれども、それでお湯を沸かしてるんですけども。
満水で2リットルちょっと入るんですね。ただ、満水にして沸騰させると、もちろんお湯が吹きこぼれてしまうので、今このぐらいの水位、量でいうと1.5リットル入れました。七分目までもいっていないかな。六分目ぐらいですかね。
もうちょっとで沸騰してくると思うんですけども、鉄が溶け出してきてるわけで、この中へ、煎茶ですね。50グラムありました。
お茶の葉を入れます
この50グラムのお茶っ葉を、 この中に入れていきますけども、このお茶は正直結構いいお茶です。 今これから使おうとしてるのは。
しかし、良いお茶じゃなくていいんですよ。安いお茶でいいです。安いお茶って結構苦いですね。
苦ければ苦いほど、お茶の中に含まれてるタンニンという成分がたくさん含まれていますので、このお茶っ葉の中にあるタンニンと、それから鉄を反応させて、タンニン液という液体を作り出します。
今だいぶ沸騰してきましたのでね、お茶っ葉をここに入れますね。
まあ僕の場合は、お茶っ葉を布とかに包まないでね、入れます。これが嫌だって方は布巾の中にくるんで入れたりだとか、ティーバッグをたくさん入れる人もいますね。
弱火で煮込む
もう今沸騰してきてますよね。こういう風に沸騰させていくわけですよ。しばらく。時間でいったら、30分くらい沸騰させましょう。
IHヒーターがない方はガス台でもいいですよ。 カス台で、弱火で、今こうやって蓋を取ってた方がいいですね。
蓋があると吹きこぼれることもあるので、この様にコトコトと30分くらい煮込んでください。
鉄分と、それからお茶っ葉から今溶け出している、タンニンという成分が化学変化を起こして、タンニン液という液体を今ここに作り出してるわけです。
まだね。この液体はねグリーンですよ。グリーンですよね、緑色ですね。
蓋をして一晩以上置いておく
このように30分、弱火で煮込むわけですけども、これで火を止めて、このままでね、蓋をして、明日の夜まで、24時間このまま置いておくわけです。
- 2日後 -
これ今蓋を開けますけど、 『この錆びた鉄瓶にお茶っ葉を入れて、それで一晩、次の日まで放置しておきますね』という皆さんにお話ししましてね。
昨日の夜金曜日で一晩だったんだけど、まだお茶っぱと鉄分がうまく反応してなかった。っていうのは、お茶の色があんまり黒っぽくなかったんで、今日まで放置しまして、今日で丸2日になりました。
だいぶ黒っぽくなりましたね。この色が鉄分とお茶のタンニンが反応して、タンニン液という液体になってます。このお茶っ葉を変えると、もっと黒くなることもあります。
錆止めをして試してきて一番効果があるなと思ったのは、中国茶のプーアル茶ってお茶はすごく黒くなります。真っ黒になりますね。
ま、煎茶でも結構黒くなってきますけど、ちょっとこの鍋に移し替えてみましょう。どのくらい色が黒くなったか。だいぶ黒くなりましたね。
お茶の葉を取り出します
全部取り出して、あとは中に水で綺麗にして、錆止めの作業は終わりということになります。
お茶っ葉というかお茶の液体ですけど、これは観葉植物とか、いろいろ植栽で、トマトやきゅうりなど色々作ってらっしゃる方もいると思うんですけど、そこにこの液体をまいてあげると、植物が元気に育つんですよ。
タンニン液というのは、農家の方でも使っている方がいますけれども、ただ捨てることなく、まだ有効に利用できます。
今さっきあのお茶っぱたくさんあったんだけども、流しで全部取り出しまして、中をご覧になれますか。
サビが安定してくる
すごいしっとりとこげ茶色で、黒っぽくて、サビが安定してるって感じの色になっていまして。こうなってくれると、錆びていくっていう感じじゃなくて、いづれ鉄は錆びるんですけど、こうその、錆びる時間が本当にこう、ゆっくりゆっくりなんですよ。
買ったばかりの鉄瓶ですと、どうしてもこう色々ちゃんと手入れしてても、錆びやすいものなんですけども。だんだん、だんだん、水と相性が良くなってくると、いわゆる時間を長く鉄瓶を使っていただくと、非常にその錆びも安定してきて。
時々、皆さんにお教えしたようにですね、このお茶っ葉で中を錆止めをしていただくと、もう5年10年15年20年経って来ても、ほんとこういう風な色になってくるんですね。
先ほどのお茶っぱは茶巾絞りにして、ま、布に包んで固く絞って、外側を、鉄瓶の外側を拭いていただくと、ツヤツヤしてきて、それも非常に効果がでますので、皆さんそのようにしてお試しになってみてください。
おわりに
今日は、『南部鉄瓶が錆びたらお茶っ葉で煎じてみましょう』、ということで皆さんにご紹介しましたけど、実はまだまだあの私しかやっていない、裏技の錆止め方法ってのがありますので、次にまた第二弾、第三弾と、皆さんにご紹介したいと思いますので、よろしくお願いします。
いつも及富チャンネルをご覧いただきまして、本当にありがとうございました。