鉄瓶と急須の見分けかたについてお問い合わせいただきましたので、
以前あげたブログを再投稿いたしました。
「「鉄瓶と急須は何が違うのですか?」」
簡単に使用方法の違いを説明しますと、
鉄瓶は火にかけられますが
急須は火にかけられません。
また、
鉄瓶は鉄分が出ますが
急須は鉄分が出ません。
ではどうやって2つを見分けることができるのでしょうか。
ここで問題です!
下の2枚の写真、どちらが鉄瓶でどちらが急須でしょうか?
※写真はひさご家紋入りという商品です。
オンラインショップに掲載している小鉄瓶ひさごとは異なる商品ですので
ご注意ください。
はい、正解は上の写真が鉄瓶、下の写真が急須です。
外側は同じですが、中の加工が違います。
上の鉄瓶は「酸化被膜」という高温で焼くことにより、
酸素の膜を付けた状態です。
見た目は灰色、一部白っぽい部分も。
この被膜を付けていないと鉄は急激に錆びてしまいます。
そうするとお手入れどころか水もすぐに真っ赤になって
しまうので、ちょうど良いくらいの鉄分が出るよう
そして錆がゆっくり出るように調整しています。
鉄分補給をするならこちらを選びましょう。
2枚目の急須。
こちらは「琺瑯加工」というガラス質の釉薬を内部に塗り、
高温で焼き付けた状態です。
見た目は黒くてツルツルテカテカしています。
完全に鉄分が出るのを防いでいる状態なので、
内側に鉄分が出ません=錆が出ません!!
(水分の溜まりやすい注ぎ口や蓋の周りなどの
琺瑯加工がされていない部分は徐々に錆びていきます)
保温性は鉄瓶と同様です。
また、火にかけると熱で加工が割れてしまうので
火には絶対にかけないようにしましょう!ここ大事。
おまけ
鉄瓶は火や熱に直接触れさせるため、周りの色が
徐々に抜けていきます。だんだん抜けていって、湯垢や
錆で内側も外側も覆われ、その変化を楽しみながら
使えるのが鉄瓶の良いところです。
何年も何年も使い込んだ鉄瓶の錆は水に浮きません。
つまり、錆びててもお湯は透明なまま!
慣れるまでは抵抗感がありますが、使い続けているうちに
錆びも湯垢も気にならなくなります。
だってどんどんお湯が美味しく感じられるから。
逆に、急須はお手入れが楽ちんかつ
綺麗な見た目が長持ちするところが良いところです。
今は黒だけでなく、さまざまなカラー急須が
販売されています。
一目惚れしたり、悩みに悩んで選んだ急須の
可愛らしさ、美しさを少しでも長くそのままに。
今回は鉄瓶と急須の見分け方でした。